木幡社長ブログ

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第2回工場操業環境のあり方検討委員会

昨日、第2回の工場操業環境のあり方検討委員会が開催され参加してきた。


前回の第1回委員会が開催された日のブログ記事でも、大阪市内の工場事業所が直面している問題について触れた。


それは工場周辺の環境が住宅・マンションの増加により、住工混在の問題が悪化し、工場操業が難しくなってきているという現実だ。


この問題について大阪市も重要課題として取り組まれ、その問題解決のための工場立地支援施策を検討するため、学識経験者・専門家と市内の工場事業者で構成される委員会をもたれているが、私も若輩ながらその一人としてこの委員会に参加させていただいている。


今回は、こうした住工混在問題について取り組まれている他の行政市の取り組みなどが紹介され参考材料とすることになった。


他都市の施策については、以下のようなものが紹介された。


兵庫県尼崎市・・・(1)住環境整備条例による工業系地域のマンション等の規制
         (工業地域のマンション立地には外側に広い緩衝緑地帯を義務付け)
         (2)商業立地ガイドラインによる工業地の操業環境保全
         (市内を8つのゾーンに区分、土地利用の誘導パターンを提示)
         (3)工業保全型特別工業地区(特別用途地区)指定
         (2007年3月に機械・金属メーカーの集積地の扶桑町を指定)


神奈川県相模原市・・・産業集積促進条例(STEP50)
           (工業用地の保全に対して奨励金交付)


大阪府東大阪市・・・住工混在工業集積地 高井田地区の取り組み
          (1)地域資源マップ「高井田のチカラ」、
          地域課題集「高井田の素顔」の発行
           (地域内の全住民・全企業に配布、地域情報を共有)
          (2)高井田まちづくり協議会の設立
           (地域に開かれた議論の場づくり、広報誌の発行など)
          (3)地区内マンション建設への対応
           (入居者に工業地域である旨等の事前周知事項の覚書締結)


などの事例をご紹介頂いた。


各地とも、建築規制策、保全奨励策、住工地域調和策等の方向で施策をとられているようだ。


大阪市もこれまでこれらの側面から、一部で地域環境づくりへの取り組みとして地域主体の産業イベントの開催・研究会の設置や、重点産業分野に限っての助成制度などの施策があるが、今後こうした各市の取り組みも参考に当委員会で方向性を検討していくことなる。


また、これらの各市の施策事例の紹介のほか、委員でおられる大阪市立大学の立見教授の大阪府大東市での実態調査のご報告と、大阪都市経済調査会での大阪市内のものづくり拠点の空間分布の変容についてのご報告があった。


当社の工場が立地する大阪市大正区は臨海工業地域でもあり、また住工混在の地域でもあるが、今回先の大阪都市経済調査会での大阪市内のものづくり拠点の空間分布の変容の調査報告からも工場減少率が比較的ゆるやかなほうであった。


考えてみると、当社も約25年ほど前に同じ大正区の中でも、住工混在のエリアで操業しづらいのを理由に、幸い大阪市の土地区画整理事業ですぐ近くに出来た現所在の工場団地に移転している。


おかげで現在はこうした住工混在問題で悩まされてはいないのだが、住工混在のメッリトは大いにあり、当社の従業員のうち4割が大正区民である。


また私は違うのだが、私が所属する地元(社)大正工業工業会の青年部である大正工業若葉会のメンバーさんで、事業主が大正区に住まわれている比率も多い。また皆さんは地域の中でも、町会やPTAなどの要職を努められるケースも多く、そういう意味では地域コミュニティーの中でも欠くことの出来ない存在でいらっしゃる。


そうした地域との共生相互理解が成立していることは、住工混在による工場操業問題の解消において大きな役割を果たしているといえよう。


我々中小企業の事業主は、自社の業績と併せて、地域のまちづくりや文化に関して関心を持つこともとても重要なのではと思える。

2008年08月29日 23:36
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