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大阪は、東洋のマンチェスターと称され近代商工都市として発展した19世紀後半から、これまで国内工業化社会の時代の牽引役的な役割を果たしてきた。
そんな歴史背景を持つ都市として、現在も大阪市・大阪府は多くの産業が集積した都市である。
また大阪は「中小企業のまち」といわれ、中でも、ものづくり分野の中小製造業の中には、非常に高度な技術力を有したところや、高付加価値製品を造る企業も数多い。
しかしながら、近年、大阪経済は地盤沈下が顕著となり平成18年の大阪市の経済統計調査では、大阪市内の製造事業所数(従業員4名以上)は10年前の平成8年から43.1%減(全国は30.1%減)の8,098事業所である。
さらに、製造品の工場出荷額は全国では10年前より0.6%増になっているのに対して、大阪市は10年前から毎年連続の減少で、39.7%(2 兆6374 億円)減の4 兆130 億円となっている。
(詳しくは大阪市の工業統計調査を参照下さい。)
大阪市内の製造業が減少している理由は、倒産や後継者不足による廃業もさることながら、都市での工場の操業環境が悪化してきているのも大きな理由である。
というのもここ十数年で約半減化した工場の跡地にはマンションや建売住宅がつぎつぎと建設され、準工業地域であったところでも、住宅地が増え、工場と新しい地域住民の方々との共生が難しくなり、工場操業がしづらくなって、さらに工場がどんどん市外・府外へ移転流失する悪循環のケースも多くみられる。
こうした現況の中で、数年前からものづくり再生をめざす大阪市も、この工場操業環境をとりまく現状課題について具体的な対策検討に大阪市経済局を主管として取り組まれることになり、実はその工場操業環境のあり方検討委員会に、若輩ながら今回、私も参加させていただくことになった。
そして、今日の午後がその初会合となった。
今後1年をかけて、この問題を討議対策が検討されるが私も微力ながらこの問題に、市内の一工場経営者の立場として関わり、大阪の一つの特徴である“ものづくり”の集積都市再生に出来る限りの力を尽くしたいと思っています。
【参考サイト】
大阪市データネット工業統計(大阪市都市計画調整局)
大阪の経済2008年版(大阪市経済局)
大阪市ものづくり再生プラン(第2ステージ・大阪市経済局)
「大阪市工場集積地実態調査」報告書
大阪市経済局「ものづくりんぐ.ネット」
大阪府ものづくりサポート(大阪府内の住工混在状況に関する現況調査)