木幡社長ブログ

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成功するネーミング

前回はおむすびのネーミングのことを書き、それ以前にもサイト屋号のお話をしたが、ここのところ私はネーミングに関して関心をもっており、そんなところに、コンサルタントの神田昌典さんと株式会社感性リサーチの社長、黒川伊保子さんのインタビューオーディオセミナーのCDがあり「成功するネーミング」と言う内容だったので聴いてみた。


黒川伊保子さんのことはそれまで知らなかったが、昨日紹介した小阪裕司さんの著書の巻末のお礼の中にも、よくみれば「脳機能や語感の観点からいつもさまざまな示唆を頂いている」とご紹介されており、脳とことばの研究からネーミングの感性分析の世界においては第一人者の方のようだ。


同氏は奈良女子大の物理学科を卒業後、富士通で14年間、人工知能の研究開発に携わられ、脳機能の立場から語感の正体が「ことばの発音の身体感覚」であることを発見され、その後コンサルタント会社や民間研究機関での勤務を経られ、株式会社感性リサーチを設立。その後AI分析の手法を用い世界初の語感分析法を開発され、マーケティングの分野に新境地を開拓されたようだ。


セミナーCDの内容は非常に興味深かかった。


人は知らず知らず、語感の発音体感を感じ、言葉を発したり、聞いたり、見た瞬間に、その『発音体感という感覚をベースに、ある期待感の確信を生み出す』と言うことだ。


例えば、人の名前「スズキ シュンスケ」と「ゴウトクジ マナブ」の場合、その発音体感から、「スズキ シュンスケ」はサッカー部で活躍し、「ゴウトクジ マナブ」は歴史に詳しい感じがする。


その理由は、この発音体感が「スズキ シュンスケ」の場合は筋肉の緊張点が舌先と舌の付け根のところで交互に行ったり来たりして、口の中が疾風と共にジグザクにが走り抜ける感じで、「ゴウトクジ マナブ」は胸部に細かい振動を生み出す濁音と、頭蓋に細かい振動を生み出す鼻音が交互し、振動が重なり合いあい長い蓄積を感じさせるからだそうだ。


そしてこの発音体感は、深い確信を受け持つ小脳で受け取り、潜在意識と深い確信の領域に影響を与えるそうだ。
つまりはその言葉の持つ意味よりも、その語感からくるイメージを強く思ってしまい、潜在的なその影響の方が大きいようだ。


その語感から生み出される期待感の確信が、現実とずれていると人はがっかりしたりする。
また何故か浸透しないネーミングと言うのもそんなところに理由があるようだ。


例えば、JR東日本につけられた愛称の『E電』は乗り物の機敏性や利便性を表さず間延びした重い感じであり、東京ドームの正式施設名称の『ビッグエッグ』はエネルギーがあるのに押し込められたようなフラストレーションがたまるいいにくい言葉で誰も使わない。


この実に興味深い話をお聴きして、ネーミングもしかりであるが、言葉というものがいかに重要であるのかをあらためて思い知らされた。


『言霊』とよく言われるが、普段何気に使ったり口癖のように使う言葉にも、こうした小脳に働きかける発音体感と言うものがあり、人の潜在意識に働きかけるのならば、言葉が人生に大きく影響するその理由もよく理解できそうだ。


さて、では実際、『成功するネーミング』はどのようにつければいいのかと言うことについて黒川先生は、【名前は直感で決めるしかない】と言われる。


むしろある思いをもって生み出された製品やサービスには、名前は既に在るといえ、それに出会うようなものだと言われる。


極端な話、腑に落ちるネーミングが浮かばないくらいならその事業はおやめなさいと言われる。


また実際、いろいろ戦略的に考えて付けると言うよりは、リラックスして楽しんで付けたり、それに感動して付けられた名前の方が、後で分析すると良かったりするようだ。


このお話も私にはとても共感でき納得のいくものだった。

2008年08月14日 23:13
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