木幡社長ブログ

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情報の川下から川上へ(その1)

WEBサイトをうまく利用することで、顧客との関係性を変えることも可能である。


先日ご紹介した【ブルーオーシャン戦略】-「買い手グループに目を向ける」という記事のなかで、メーカーは通常2つの顧客を持つのが一般的であると述べた。


1つは自社の直接の販売先であり、自社製品を小売してくれるところ(小売店や専門商社など)である。
そして、もう1つはその先の顧客となる製品を最終的に購入する買い手である。


また、さらにこれが2つ以上の場合もあり、買い手とは異なる利用者(エンドユーザー)がまだその先にいる場合や、あるいは最終の買い手との間の流通に、まだ複数社の中間業者が入っている場合などもある。


こうした複数の買い手グループの中で、ここで注目したいのは情報の流れである。


具体的には、情報の流れの、より上流の川上に立つことが決め手であり、それにより情報優位となることで、顧客との関係性をより有用なものに出来る可能性が高まるということを今日はお伝えしたい。


昨日ご紹介した新生紙化工業株式会社様もそうであったが、同社は包装資材の中間加工であるドライラミネート加工業であるが、ホームページを通じて、最終購入者であるところから、間を飛び越えて問い合わせが入ることが多かった。


こうした問い合わせからは、エンドユーザーのニーズをつかむ事が出来るようになり、同社もそうしたお声に真摯に向かい合われ対応してこられたことで、新たな展望が開けてきたように思われる。


またさらに、弊社自身の経験からもこんな事例がある。


同じ客先の中でも異なる部門が存在し、買い手グループを分けて捉えるとその関係性は変わってくる。


より具体的に説明すると、私ども(株)木幡計器製作所は、主な需要先である装置メーカーを客先として、販社を通さず圧力計を直販することが多いのだが、こうした直販の場合においても、通常はそうした客先社内で、圧力計の直接の買い手である部門(我々との直接の窓口)は、購買窓口である資材・購買部である場合が一般的だ。


資材・購買部門というのは、良いものをとにかく安く、無駄なく、そして安定的に買い入れることがその主たる使命であるので、例えば我々部品メーカーが、そうした先に新規に販路拡大を試みようとしても、当然のことながら、そこでは常にまず第一に価格交渉が付き物となり新規購入品の採用にあたっての障壁は高いものである。


しかし、これが同じ客先でも購買部門の川上部門に位置する技術設計部門の技術者の方を通じてのコンタクトとなると、技術設計部門からお問い合わせが入り、仮にその対応で信頼を得て、先に技術的な機種の打ち合わせをして、幸いにもそこの装置図面に弊社の計測器が採用されて行くようなこととなると流れはとてもスムーズである。


実際に弊社の場合、1997年にホームページを開設以降は、それまでは接触を持つケースが比較的少ない技術設計部門の担当技術者の方からも、ホームページを通じてのお問い合わせ引き合いが多くなり、ホームページが新規顧客の拡大に大きく貢献することになった。


このことは、我々にっては非常に重要なことである。


水は高いところから低いところに流れるのが自然でスムーズなものである。
これは情報についても同じだといえる。


このように「情報のソース(源)に近い、情報の川上に立つ」ことは買い手との関係性を優位に導くことを可能にするものといえるだろう。

2008年09月11日 21:36
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