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『バリューイノベーション』=「差別化」と「低コスト化」の実現をするためのツールとしてブルーオーシャン戦略で紹介されているツールが【4つのアクション】である。
【4つのアクション】は以下の4つ。
(1)Eliminate(取り除く)・・・すっかり取り除く要素は何か?
(2)Reduce(減らす)・・・大胆に減らす要素は何か?
(3)Raise(増やす)・・・大胆に増やす要素は何か?
(4)Create(付け加える)・・・新たに付け加える要素は何か?
このうち(1)のEliminate(取り除く)と(2)のReduce(減らす)が【低コスト化】を図るための手法で、(3)のRaise(増やす)と(4)Create(付け加える)が【差別化】を図るための手法である。
この【4つのアクション】を、具体的に実行に移すために使われるツールが【アクション・マトリクス】となる。
「イエローテイル」ブランドサイト
『ブルーオーシャン戦略』の書籍の中では、この【4つのアクション】と【アクション・マトリックス】について、アメリカ市場で発売から爆発的なヒットとなり販売数量NO.1を実現した『イエローテイル』という輸入ワインブランドを具体的な事例に上げ、説明している。
この『イエローテイル』日本国内でもサッポロビールが2004年9月から発売しているので目にされたり、既に飲まれた方もあるかもしれない。
【参考記事】WANDS STREET No.86 Jul./Aug. 2004 記事
「全米ナンバーワン・ワイン話題のイエローテイル9月ついに日本市場に上陸」
この『イエローテイル』の【アクション・マトリックス】は次の様になる。
さらに、この【アクション・マトリックス】の『付け加える』に列挙した要素を、先日説明した【戦略キャンパス】の横軸の要素に付け加え、また『増やす』要素を増やし、一方で『取り除く』、『減らす』の要素を、それぞれ大胆に取り除き・減らすことで【価値曲線】にメリハリをつけることとなり、“市場の境界を引き直し”、「差別化」と「低コスト化」を同時実現させる【バリューイノベーション】を可能としている。
こうのように4つのアクションから描かれた戦略キャンパスの価値曲線は、
(1)特定の要素に力点が集中している。(メリハリがある。)
⇒イエローテイルの場合は「選びやすさ」 シャルドネ・シラーズだけに品種を限定)
(2)独自性がある。
⇒イエローテイルの場合は「飲みやすさ」、「選びやすさ」、「楽しさや意外性」
(3)有無を言わさぬメッセージ(訴求力のあるキャッチフレーズ)
⇒イエローテイルの場合はカンガルーのラベル、「オーストラリアの広大な台地の恵み」毎日飲んでも飽きない、楽しくシンプルなワイン」
という3つの特徴を持っており、これが優れた「ブルーオーシャン戦略」の特徴となるようだ。
そして『イエローテイル』が目を向けた【代替産業】と【非顧客層】は、『ビール・カクテル飲料』であり、『ワインは敷居が高く難しいと思っている人たち』であった。