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昨日は、ブルーオーシャン戦略では【市場の境界を引き直す】という点に注目しており、そのためのアプローチとして紹介されているのが【顧客以外に目を向ける】という点と【6つのパス】であると述べた。
この【顧客以外に目を向ける】ということは、“いまだに顧客になっていない買い手に目を向ける”と言うことで、この「非顧客」は以下の3つに大別されている。
1.「消極的買い手」:購入意欲は低く、出来れば代替品で済ませようとする。
2.「利用しないと決めた買い手」:現在の業界(製品)に不満を持つ。利用しないことを心に決めている。
3.「市場から距離を置く買い手」:業界の製品も代替品も利用しない。既存市場から遠い存在。
そしてこれらに対してのアプローチはこうだ。
1.「消極的買い手」には、代替品に逃げる原因を取り除く。
2.「利用しないと決めた買い手」には、利用しないと決めた原因を取り除く。
3.「市場から距離を置く買い手」には、潜在的需要に着目する。
そして、3者全体が持つ共通点がないかを見つける。
次に【6つのパス】についてであるが、その視点は次の6つだ。
(1)代替産業に学ぶ。
(2)業界内の他の戦略グループに学ぶ。
(3)買い手グループに目を向ける。
(4)補完材や補完サービスを見渡す。
(5)機能志向と感性志向を切り替える。
(6)将来を見渡す。
ここでは全ては説明しないが、このうち(1)代替産業に学ぶ。と(3)買い手グループに目を向ける。という点については、我々もWebサイトを考える際によく利用するので、少し触れてみたい。
まず【代替産業に学ぶ】というのは、例えば、ハンバーガーショップの大手「マクドナルド」の競合といえば、「ロッテリア」とか、「モスバーガー」とか、などと通常は思われるだろう。
しかし、“手軽に早く食事をする”という【目的】から考えると、「吉野家」や「コンビニ」、「立ち食いそば」なども競合となる。
また、「映画館」、「喫茶店」、「本屋」これらは一見関係がないが実は『代替産業』で、“2時間、時間をつぶす必要がある人”にとってはそれらが選択肢になる。
ブルーオーシャン戦略では、こうしたくくりで『代替産業』を見つけ出し、その産業に学んで、市場の境界を引き直す。
以前、【同業他社リサーチ】をお薦めしたが、顧客が利用するであろう重要なキーワードを使って、このリサーチをしていると、これまでは同業他社と思っていなかったところが、実際に競合になっていることに気付くことが多い。
また、インターネットが従来の流通経路を大きく変えた要素もあり、メーカーがネットで小売をしたり、従来の川上産業と川下産業が逆流していたり、アフィリエイトやドロップシッピングの仕組みが見られるなど、今やネット上の競合は、従来の同業他社という枠組みをはずして競合を考えなくてはいけない。
そこで弊社では同業他社リサーチに加えて、これまでは、「異業種同業態サイトリサーチ」や「ユーザーを同じくする他社のリサーチ」もお薦めしてきた。
この【6つのパス】でいう『代替産業』という枠組みは、これに近い考えである。
そこで【代替産業のネットリサーチ】をしてみることも大変参考となり、戦略立案上はとても重要なことだといえるだろう。
次回は、【買い手グループに目を向ける】について触れてみたい。