木幡社長ブログ

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届かない感性価値

本日伺ったあるメーカーでの打ち合わせで、ある売れない商品のことが話題になった。


その商品の性能は優れている。
扱い方も簡単である。
価格も適正である。
それを利用した効果も高く、その実証データもある。
利用者の反響も良い。


つまり、その製品はメーカーとしても自信のある、事実、優れた商品なのだ。


また、さらにその商品は従来の同アイテム品とは違う独自機構を持った特許製品であり、まさに他社にはない同社だけのオリジナルの製品である。


しかし、売れない。


何故だろう。

本当に売れないのか?というとそうではなさそうだ。


というのも、展示会で同社の社長が自らその商品説明をすればすぐ売れる。
しかも、お客さんは自分で利用するだけではなく、親戚の分までと、複数台売れてしまう。


売れない理由の最大のポイントは、その商品の価値がこれまで語られてこなっかったことのようだ。


というようり、厳密に言えば、その価値を語る機会が与えられなかったからなのだ。


というのは同社はメーカーとして製品を売り手に流すのだが、バイヤーがその製品の価値を十分に理解してくれていなかったり、テレビ通販などは、機能が優れ良い品で価格は相対的に適正であっても、値頃感のある安いものでないと売れないと扱ってくれない様だ。


つまり、同社の従来からの販売チャンネルでは、バイヤーレベルでその価値の伝達経路が閉ざされ、その価値が消費者まで届いていないのだ。


そうした作り手の感性価値の伝達には、販売流通の果たす役割が大きく、サプライチェーン全体での取り組みが課題となる。


ちょうど今私がよんでいる小阪裕司氏の著書「そうそう、これが欲しかった!感性価値を創るマーケティング」の中にもこうした売り手の領域全体で取り組むということが、ビジネスを危機に陥れる3つの忘れられた課題の1つとして紹介されている。


作り手が直接語ると売れて、売り手レベルでは売れない。


ここには価値伝達の手法に問題があり、それを如何に伝えるかが問われ、同社のホームページを担わせていただく我々にも重要な役割があると言える。

2008年08月12日 23:23
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