木幡社長ブログ

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メンタリングマネジメントと石門心学(前編)

昨日は、私が学ぶ心学明誠舎のサマーセミナーに行ってきた。


社団法人心学明誠舎とは江戸時代中期から220年以上続く、石田梅岩の教えを学ぶ団体である。


心学明誠舎や石田梅岩の石門心学の紹介はまた別の機会に詳しく行なうとして、今回のセミナーはまだ日本でも馴染みのないメンタリングマネジメントと石門心学に共通する教えをテーマに国際メンターシップ大学院大学の副学長 大野雅之先生にご講義を戴いた。
実に興味深い内容だったので、私は思わず聞き入っていた。


メンターとは優れた指導者、賢明な人、信頼のおける助言者、師匠などの意味で、もともとはギリシア神話で、オデュッセウス王がトロイ戦争に出陣するとき、まだ幼い自分の子供テレマコス王子を託したすぐれた指導者の名前メントール(Mentor)から来ているようだ。


つまり、メンターとは、一般には「成熟した年長者」をさす言葉として使われ、
メンターとメンティー(若年者や未熟練者)とが、基本的には1対1で、継続的、定期的に交流し、信頼関係をつくりながら、メンティーの仕事や諸活動の支援と、精神的、人間的な成長を支援することをメンタリングというようだ。


米国ではコーチングから始まり、メンタリングという言葉が流行し、現状、その支援関係をより豊かにするためにメンター制度が普及しているそうだ。
日本ではまだ一般にはあまり馴染みが薄いようだが、最近の若手社員の離職率の削減対策などの目的で大手企業や、地方行政機関などでも、このメンタリングマネジメント制度を取り入れいるところもあるようだ。


ところでまず、このメンタリングのメンターとメンティの関係性の根本思想が、『活かし活かされる関係』だそうで、この思想が石田梅岩の『実の商人は、先も立ち、我も立つことを思うなり』という商人と顧客との関係性の思想と共通する点だということだ。
そして、また「課題達成の成果性」と、「意欲促進の効果性」の両方を求めるのがメンタリングの特徴だそうだ。


さらにメンタリングと石田梅岩の思想との共通点は、1つが「目的・姿勢・方法論の関係性を統合する」という思想だそうだ。この3つの関係性の統合を大野先生は判り易くハンバーガーに例えて下さったが、

例えば、メンタリングのゴールとなる「目的」は、“成功と成長”でハンバーガーでいうなら上のパン、手段となる「方法論」が“メンタリング”で、ハンバーガーの中身で、その哲学やマインドとなる「姿勢」は“メンターシップ”となり、下のパンということだ。

一方石田梅岩の思想は、同じく「目的」が“四海の民衆の平和(世界平和)”で「方法論」が“あきない”、「姿勢」が“倫理・道徳”で、これらはハンバーガーと同じで一緒に食べなければ意味が無い様に、常に関係性が統合されたものである必要性があるとのことだ。


この「目的」は企業で言うならば、恐らく“経営理念”だろう、「手段・方法論」は、“経営戦略や経営計画”であり、哲学やマインドとなる「経営姿勢」は“社是や行動指針”そして会社の“組織風土や組織文化”なのではないかと思う。
そしてこれらが全て統合され、一貫性をもった企業が強い会社なのではと感じさせて頂いた。

2008年07月12日 23:57
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