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昨日は、(社)大阪市工業会連合会の異業種交流会であるエックスメイトとという団体の定例会で、今月はその会の議長を務めておられる奥田さんのご自宅でもある奥田家住宅奥田邸をお訪ねした。
ご自宅が国定重要文化財に指定されている方など国内でもそう数多くはないだろうと思うが、実際に国有や都道府県所有は在れど、現在も個人所有の民家家屋でこうした重文指定の建物で、且つ一般にも公開しておられる例は極めて珍しいようだ。
奥田家は江戸時代には代々、河内国渋川郡鞍作村の庄屋を勤めた家柄で付近十ヵ村の庄屋代表でもあったようで、また楠氏の流れをくみ、中世末にはこの地方の豪族だったそうだ。
江戸時代初期の大庄屋屋敷全容が残された奥田邸は大阪市の南東部にある平野区加美鞍作(ひらのくかみくらつくり)にある。
この加美鞍作という地名は日本書紀の時代に朝鮮半島から渡来した鞍作部(くらつくりべ)という馬の鞍を作る木工技術を持つ渡来人が最初に住み着いた場所という由来があるそうだ。
その後、鞍作部といわれた渡来人は飛鳥の都に移り、世界最古の木造建築で世界遺産に指定される法隆寺の釈迦三尊像を彫った仏師、鞍作止利(くらつくりのとり)なども鞍作部一族の一人だといわれている。
奥田邸は大阪の街中にある約1,000坪のお屋敷で、昭和44年に主屋・米蔵など7棟が国の重要文化財に指定され、平成元年より5年の根本修理で建築当初の姿に復元されたようだ。その作りは主屋の重厚な茅葺の大屋根や長屋門形式の表門や前裁などの調和した美しさと豪農としての風格をもっている。
400年近くの歴史を持つ家屋の作りは、木造家屋で釘を全く使わず組み木の工法で出来ている様だがその素晴らしさには感嘆する。また昨日も大阪は暑かったが中に入ると自然の風が入り驚くほど涼しい。
奥田さんのお父様による解説をお聞きしながら、民間人が国の重要文化財を保護し守ることのご苦労と、文化を守ることへのお心意気が何気に伝わり、また江戸時代の庄家の暮らしぶりと情緒を感じるひと時はあっという間だった。
一般には予約制で第4日曜日のみ10:00〜16:00で公開しておられる。
その後、懇親会は奥田邸からすぐの、がんこ平野郷屋敷店にて会食をしたが、こちらも江戸時代に建築された豪商の屋敷を利用したお店である。
大阪市平野区は平野郷とよばれこうした古い建物が残り、まちぐりみ博物館として見所も多い町である。そんな大阪の町も多くの皆さんに知って頂きたい。
【参考】
奥田家住宅奥田邸(国定重要文化財)
大阪市平野区加味鞍作1丁目8−5
奥田邸保存会 TEL:06-6792-2695
JR大和路線 加美駅より徒歩3分
大阪市建設局 歴史の散歩道(今里・平野郷コース)
大阪の歴史の散策情報
東川 尚義:
ブログ拝見しました。
早速のエクスメイト事業の発信有難うございます。
向井珍味堂、奥田邸楽しく拝見しています。
忙しい毎日、頑張っておられることがよす拝察できました。 体に気をつけてください。