木幡社長ブログ

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『ブルーオーシャン』を求めて

一昨日、私の従兄が経営する企業にホームページ制作の依頼で伺った。


従兄の会社は香料メーカーで、香料は、食品、化粧品、日曜雑貨、医薬品、医薬部外品、工業薬品などの幅広い分野に利用されその種類も膨大である。


あらゆる製品に使用されている香料は、ひとつひとつの商品に含まれる量は微量ながら、上記の様々な分野の市場に存在する製品とほぼ同じ数だけ存在し、少量多品種の典型的な業界であるともいえる。


調査会社の株式会社デルタアイディ総合研究所の香料業界リサーチレポートによると、2006年度の香料市場規模は、世界規模で約2兆円、国内市場は1,950億8千万円と推計され、ここ数年横ばい傾向。


業界構造は、国内メーカー数は外資も含め約70社ほど、そのうち大手2社で市場シェアの約50%を占有し、上位5社で約75%、残りをそれ以外で分け合うという寡占業界のようだ。


香料は大別すると主に食品添加物である食品向け香料(フレーバー)と、その他食品以外の化粧品・芳香剤等の香粧品香料(フレグランス)に別れ、そのうち需要先は85%程度がフレーバー市場で、残りの15%程度がフレグランス市場であるということだ。


また、香料は需要先の仕様や要求に応じて個別に開発製造され、また需要先の新製品やリニューアル品の発売に際して依頼されるケースが大半なため守秘事項も多く、客先との信頼関係と意意思疎通が重要視されるようだ。


従兄の会社も提案型の企業であり、ナショナルブランドとして誰もが慣れ親しんでいる某大手メーカーの芳香剤は、実はベースが同社の提案開発によるものであり、その他の領域でも、これまで数多くの大ヒット商品の影で、同社は黒子のような立役者的存在を担ってきておられる。


守秘事項も多いところでこうした同社の強みや特徴をホームページでうまく表現するのは難しいところだが、そんな強みの背景にあるものはなんだろうかと思いながらお話をお聞きしていると、ヒアリングの中でその糸口となるような部分を感じた。


というのも寡占業界といえる香料業界において、従兄の会社は、創業者の祖父の時代から、もともと主にフレグランス市場の方に強かったようで、特に化粧品関係市場では、以前は大手の男性化粧品会社などが上得意のようであった。


しかし、よくある話ではあるが、伯父の時代に番頭格としておられた親族の方が独立された際に、化粧品市場は譲られることになり、その他の新たな業界を開拓することを余儀なくされたようだ。


そこでそうした逆境の中でも、当時フレグランス市場では、まだ他の香料メーカーが殆ど見向きもしていなかった業種に注目し、エアゾール業界や、まだ伸びる前のトイレタリー製品市場に目を向けて市場開拓をし続けたようである。


ブルーオーシャン戦略そして今では誰もが知るナショナルブランドをもつ大手企業の数社と、いずれも顧客の創業当時より、同社は共に製品開発の一翼を担ってきたということだ。


この話を聞くと、従来の市場や競争軸で戦うのではなく、競争のない新たな市場を開拓するという【ブルーオーシャン戦略】が近年注目されているが、同社は寡占市場のなかで、まさに『ブルーオーシャン』を求め、フロンティア精神で新たな市場開拓と提案を続けてこられたのだと思えた。


今後またさらに次の『ブルーオーシャン』を目指して、同社の市場開拓に貢献するようなホームページを作成させていただきたいと感じた。

2008年09月03日 23:51
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