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今、100円で購入できるノートパソコンがヨドバシカメラやビックカメラ、コジマの量販店で販売されている。
そのパソコンは、台湾のASUSTeK(アスーステック)製のミニノートパソコン Eee PC 4G-Xである。
ASUS Eee PC 4G-X
ASUSというメーカーは聞きなれない方もおられるかも知れないが、以前よりパソコンのマザーボードのメーカーとしては有名である。
100円といっても、これは条件付の限定価格で、通常価格は49,800円であり、今年の初めに5万円を切るノートパソコンとして発売され、話題となった機種である。
⇒ 参考製品レビューページ
その条件というのは、データ通信カードのイーモバイルへの2年縛りの契約加入が条件である。
具体的には、にねんMAXという月額2900円から6880円上限のパケット課金という利用料の通信カードとのセット加入販売により、特別価格というわけだ。
つまり、同料金プランが、通常の料金プランよりは相応分割り増しとなるかわり、機器への初期投資金額を抑える可能という訳で、実際はパソコンとデータ通信機器のハードの金額分は月額利用料分で回収され、実質的には割賦購入しているようなものだ。
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しかし、こうしたキャンペーン策は、マーケティング戦略を考えるうえで大変参考となる。
このパソコンは、スペック的にメインに利用するマシンとしては無理があるが、外出先でのインターネット通信パソコン端末としてセカンドマシンとして利用するような用途にはぴったりでしかも初期投資がいらないとなれば購買意欲がそそられる。
実際、当社も営業用に通信カードとモバイルPCの追加購入を先々に検討していたが、このキャンペーンを知ると、客先での簡易なプレゼンであればこうしたミニノートPCでも充分最低限度の要件はみたされる訳で、魅力的に感じ、今すぐ契約をしようかという動機を喚起させる。
この100円パソコンのキャンペーンは、パソコンの潜在購入需要の喚起と、契約の長期安定化の両方が得られる優れたセールスプロモーション策だと思う。
ところで、イーモバイルは第四の携帯キャリアとして、平成15年に会社設立され、昨年サービスを開始したが、最高7.2Mbpsの高速モバイル通信で、利用者数を急激に伸ばし好調のようだ。
それと今回記事を書く上で調べると、今回のキャンペーン策を展開する上記の大手家電量販3社も、イーモバイルには資本参入していることがわかった。
そういう意味では、こうしたキャンペーン策を展開するアライアンスの戦略事例としても注目できる。