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今日、地下鉄谷町線に乗って客先へ移動中に、面白い吊り広告を見つけた。
一見雑誌の広告風である。が、よく見ると山崎製パンのコマーシャルだ。
内容は同社のロングセラーヒット商品の『ランチパック』の宣伝である。
ランチパック吊り広告 女性バージョン | ランチパック吊り広告 男性バージョン |
画像は携帯で撮った写真なので写りが悪くご容赦願いたいが、左右に女性用と男性用の広告が並ぶ。
大見出しは「男の朝食」、「女性のランチ」とあり、「朝食が仕事脳を活性化する!?」とか、「25歳でモテる秘訣」とかいかにも雑誌の見出し風である。
そして、肝心な点はこうした雑誌風の吊り広告で関心と興味を引き付け、続きはWEBでというように、携帯のスペシャルサイト http://yamazakipan.net/ や、PCサイトの「ランチパック」スペシャルサイト http://www.yamazakipan.co.jp/lunch-p/ へ行動を誘導している点だ。
「ランチパック」スペシャルサイト
そしてそれぞれのサイトでは「ランチパック」に関する商品知識や新製品紹介、キャンペーン告知、ゲームなどのエンターテイメントコンテンツなどが展開され、携帯サイトにおいてはランチパックCLUBという会員登録を案内し、待受画像のダウンロードやゲーム配信と新製品情報の情報ニュース配信をしている。
対象ユーザーをWEBにうまく行動ナビゲートするメディアミックスだといえる。
ところで、話は変わるが、WEBサイトを見ていて知ったのだが、この山崎製パンの「ランチパック」というロングセラー商品は今年で25年だそうだ。
最初はピーナツ・青りんご・小倉・ヨーグルの4種類が発売されたそうだが、なんとそのバリエーションは1年で50種類も次々に発売され、2007年で3億4000万個、全部並べると地球1周分4万キロの生産量ということだ。
しかし、はたしてこんなにもたくさんのバリエーションを本当に作る必要があるのだろうか?
現代の消費は食に関しても、ロングセラーといわれる商品でさえ、こんな風に次から次へと目新しいものを出さないと売れないという神話が一般化している傾向にあるようだ。
実は、私はこの山崎製パンのパンの中身のクリームを製造される会社を知っている。
私が所属する市青連のメンバー企業さんで、友栄食品興業株式会社様といい、過去には実際に工場見学もさせて頂いたこともある。
同社にとっても、このように毎月新しい商品が発売されるという状況は、大変な対応力が要求される訳で、話をお聴きしただけでも、その対応に応じることの厳しさを感じずにはいられない。
またこうした多品種対応をすることによる生産ロスも大変な量で、食品原材料の廃棄量もどんどん大きくなり、同社の冨井社長もそうした立場のなかでジレンマを感じておられるようであった。
これについては、企業がどうこうというよりも、我々一般の消費者が、私たち消費者のレベルで食に関する問題意識をもっと感じるべきではないかと思う。
この吊り広告をみて、マーケティング手法としては大変興味深いが、その一方で、単にそうしたテクニックを駆使して売れればいいのかと疑問を感じてしまう。